寒い冬は暖かい部屋でゆっくりコラムを

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今日はいつもと趣向を変えて
オリックス関係のコラムを載せてじっくり読みたいと思います。

自分の感想は少なめにして皆さんの意見も聞いてみたいです。


まずは今オフの補強策

あわただしかったストーブリーグもそろそろ落ち着いてきたという感じだろうか。
このオフの動きに関しては,パ・リーグの2球団,
楽天ソフトバンクの補強策が積極的だったというのが大方の見方となっているはずである。
だが,ここで見逃せないのはオリックスが打って出た補強策だ。
ドラフトで3回連続でくじを外すなど大失敗も影響したのだろう,
横浜と2回もトレードを行い4選手を獲得し,
巨人で戦力外となった小林雅英イ・スンヨプ,
さらには過去ドジャースなどで活躍し
メジャー通算で124勝を挙げているパク・チャンホ投手(パイレーツ)らを含む
メジャーの外国人選手3人とも契約した。
個人的にはこの補強は実に“シブい”と思っている。
なかでも寺原隼人ら,かつてのドラフト上位選手を獲得しているところに,
期待を抱かずにいられない。
寺原は周知のとおり日南学園高時代に甲子園最速右腕として注目を浴びた逸材である。
高校卒業時にメジャー球団が獲得に乗り出した逸材は,
ドラフトでの競合の末に,本人のたっての希望だったダイエーソフトバンク)へ入団する。
しかし,その後,伸び悩んだ寺原は6年目に多村との交換トレードで横浜へ移籍。
横浜ではそう成績が悪かったわけではなかったが,
先発と抑えの併用という安定しない起用で,彼本来の輝きは見られなかったように思う。
「勝ちにこだわる投球」を約束した寺原隼人の覚悟。
今回の移籍も,そうした彼の存在感の希薄さがトレードを決断させたのだろうが,
高校時代にも獲得を狙ったメジャー数球団がいまだに彼の動向を気に掛けている現状,
彼の名が朽ちたわけではない。
今シーズンも寺原の投球をじっくり観察してみたが,
その理想的な投球フォームには何度も目を奪われたものだ。
高校時代のイメージから力投派に見られがちな寺原だが,
足を上げて右足一本で立った時の美しさは球界でも指折りだ。
そこから体重移動をしても,その一本通った軸は崩れない。
投手のピッチングフォームにはそれぞれに特徴があるが,
縦に長いか,横に広いかで評価は分かれる。
横に広ければ,それは打者に正対するのが早いということで,
球の手どころが見やすく,縦ならば逆である。
179cm,87kgと横に大きく見える体型の寺原なのに,投球フォームについては縦に長いのだ。
現在のオリックスには絶対的エースの金子千尋,ストッパー岸田護が存在している。
それだけに,寺原にかかる期待はそれほど過剰なものにはならないだろう。
彼にとっては素晴らしく環境が整ったチームへの移籍となったのではないだろうか。
16日の入団記者会見で,寺原は金子千や平野,近藤らの名を挙げ
「同世代の選手がたくさんいる」ことを発奮材料に
「勝ちにこだわる投球,勝ちにこだわるところを見て欲しい」と意気込みを語っている。
「上位で入団したのに,申し訳ない」
トレード発表の後,そう,横浜へ謝罪した高宮和也も,
アマチュア時代から名の知れた逸材だった。

○アマチュアNo.1左腕の高宮が埋める左腕の中継ぎ。
社会人時代は当時のアマチュアNo.1左腕として注目を浴びた高宮は,横浜に希望枠で入団している。
ゆったりとした投球フォームからの精巧なコントロールを持ち味とし,
すぐさまローテーション入りも期待されていた逸材だった。
思うような力を発揮できないまま,
ついに昨シーズン途中から左ひじの位置を下げるという決断をした。
サイドスローに転向したのだ。
彼のサイドスロー転向を今シーズンになって知ることとなった筆者は
その姿を見て,愕然としたものだ。希望枠入団当時の面影をほとんど感じなかったからだ。
だからこそ,このトレードを知った時にちょっとした期待感が湧いたのである。
ちょうどオリックスには中継ぎを務める左腕が不足しているからだ。
昨年のドラフトで一挙に4人の左腕を指名するほど,オリックスの「左」は人材不足となっている。
新人4人が入団したとはいえ,若い選手に即戦力としての期待ができるわけでもない。
今シーズンも一,二軍を多くの選手が行き来したが,安定して力を発揮できた選手はいなかった。
その中に高宮が入るというのは,欠けていたピースを埋めるものとなるはずなのだ。
高宮は,寺原と同じ記者会見で
「左が武器になる。流れを変えられるピッチングをしたい」とその意気込みを語っていた。
陽の当らなかった希望枠左腕にとって,飛躍のきっかけにしてほしいものだ。

○移籍選手が多すぎるとチームのまとまりが無くなる恐れも……。
オリックスはそれ以前にも,横浜から2人を獲得している。
そのうちの1人である桑原謙太朗は'07年ドラフト3位で,
奈良産業大時代には完全試合を達成した実績を持つ。
横滑りのスライダーが特長の右腕で,
右打者を一殺する一芸として指揮官の使い勝手で生きてくるだろう。
移籍はチームにとって,多ければ多いほどにチームを結束させる難しさが増していくものである。
その一方,選手にとっては本人自身が変わるきっかけとなることも多い。
シーズン途中に広島から移籍してきた長谷川昌幸は
「広島でやっているときは,それまでの自分を変えることができなかった。
いつまでもスピードにこだわっていましたから。
広島を出たことによって,それまでこだわっていたことを捨てられて,
思い切ったことができるようになった」と話していたのが象徴的である。
とはいえ,オリックスには抱える難題があるのもまた事実である。
現場とフロントに一体感がなく,どうも一つの目標に向かっているようには思えないのだ。
チーム全体をまとめあげるような新たな指針が必要に。
編成,コーチとしてオリックスを支えてきた藤井康雄氏が
痺れを切らしてソフトバンクのコーチへと流れてしまったのも,その例の一つだろう。
指導陣,選手,フロント,全体が一つの方向を向いていないのではないか。
今シーズン途中,岡田監督は好機での見逃し三振,三球三振を喫した選手に
即刻二軍行きを命ずるなど,厳しい姿勢でチームと相対した。
そうした厳しさがあったからこそ,交流戦初優勝という一つの結果をもたらしたといえるが,
結局は一過性に終わってしまっている感もある。
カンフル剤などの劇薬は一時的には効き目を示すものなのかもしれないが,
長いシーズンを戦いぬくための基礎体力をつける薬ではありえない。
トレードも,そうした劇薬の一つであるのは確かで,
長谷川やシーズン前に移って来た赤田のように,移籍当初は活躍したものの,
やがては戦力の中枢にはなれずしぼんでいったというような現実も一方ではあるのだ。
寺原や高宮の加入はプラスになる。
筆者はそう思う。
だがその一方で,一時的な戦力としてではなく永続的にチームの戦力となるよう,
もう一度チーム全体のベクトルを一つに束ねる必要性もあるのではないか。
その先にこそ,オリックスのより一層の飛躍があるのではないか,と信じている。
パ・リーグ最多勝投手・金子千尋,
1億円プレイヤーの核弾頭・坂口智隆本塁打王・T‐岡田,
FA残留した後藤光尊ら,オリックスにはしっかりとした軸を任せられる選手がいるのだから……。

いいコラムだと思います。
補強の結果は来季にならないと分からないので
補強の現実に文句を言うのではなく
今は期待して見ていたいと思います。


このコラム後半の藤井さんの退団
この辺りのコラムも

ライバル球団が認める名スカウト2人を切り捨てた
●「ドラフトとは関係ない」と言うが…
「ドラフトが散々だったとはいえ,あの2人を切り捨てるとはねぇ」
某球団のスカウトが呆れた表情でこう話したのが,オリックスの人事のこと。
今月6日,熊野輝光スカウト部長の解雇と,藤井康雄スカウトの退団などが明らかになったからだ。
オリックスは今オフのドラフトで,史上初めて1位指名の抽選を3回も外す失態を犯し,
指名が3度も重複するのはスカウトの調査不足とする岡田監督から「(ドラフトは)大失敗よ」
と吐き捨てられていた。
球団は今回の解雇や退団に関し,「ドラフトとは一切関係ない」と関連性を否定しているが,
在阪マスコミの間では「岡田監督の逆鱗(げきりん)に触れたため」という意見で一致している。
この懲罰人事に呆れたり,ほくそ笑んでいるのがライバル球団。
某スカウトが言う。
「熊野さんといえば,人格者として有名で,
アマ選手の能力を見抜く眼力は日本でも屈指の実力といわれる。
今年,パの最多勝に輝いた金子千を獲得したのも熊野さんです。
藤井さんもコーチとスカウトを歴任していて,選手からの人望が厚い。
今年ブレークしたT―岡田の父親のような存在です。
そんな2人の敏腕スカウトを『ドラフトで狙っていた選手が相次いで抽選になったから』
という理由でクビにしたんでしょ。
オリックスは人という財産の価値をわかっていないのかもしれませんね」
熊野スカウトに関してはまだ来季去就は未定ではあるものの,
早くも複数の球団が“獲得”に向け調査に動いていると噂されている。
藤井スカウトはすでにソフトバンクの一軍打撃コーチへの“移籍”が決まった。
オリックス関係者からも,「今回の人事はさすがにマズいんじゃないか。
これじゃスカウトは常にクビを意識しなければならず,スカウト活動にも専念できなくなる。
人材流出もそうだし,チーム情報も他球団に流れてしまう可能性もある」という声が上がっている。
岡田監督の気分次第で関係者のクビが飛ぶといわれるオリックス。
新人発掘のスカウトは球団の根幹を担う重要な役割だ。
そこをないがしろにすると,シッペ返しは岡田監督自身に来る。

熊野さん,藤井さんは阪急・オリックスからの大功労者
この人事は残念でありません。
定年ではない退団は悲しすぎる出来事でした。




【写真は,オリックスの生え抜きで将来監督にと純血のファンが期待してた藤井さんの姿】