こんな時こそ空を見上げて
とにかく弱い
弱いという言葉以外に出てこない今季
弱いという言葉以外に出てこない今季
昨日も選手は休養などなかったみたいで
オリックスは16日,交流戦開幕に備え,ほっともっとフィールド神戸で練習し, ここまで打率2割4分,3本塁打と不振のT―岡田を岡田監督,正田打撃コーチが直接指導した。 T―岡田は「下半身を使おうと意識し過ぎていると言われた」と話した。 オリックスは昨季の交流戦で優勝したが,現在は借金9で最下位。 チーム打率も12球団最低の2割1分1厘と低迷している。 この日は午前10時半ごろから練習を開始し,野手全員が参加した。 高代ヘッドコーチは「弱いチームは練習するしかない」と厳しかった。
弱いチームは練習しかない
たしかにそのとおりかもしれません。
たしかにそのとおりかもしれません。
ぶつけろ熱意
無限の可能性
流した汗力に変える
志(こころざし)天高く
無限の可能性
流した汗力に変える
志(こころざし)天高く
この応援歌で育った若手がオリジナルの応援歌を手に入れる
それだけでも努力が必要ですが
プロの世界はそれだけじゃない。
それだけでも努力が必要ですが
プロの世界はそれだけじゃない。
昨年のHRキングだって苦しんでるんですから
そんなTの開幕前の記事を
開幕戦のことだった。 楽天のエース・岩隈久志のストレートを捉えた打球が 破裂しそうなほどのインパクト音を残して, 右翼席ポール右上方5階席へと突き刺さる大ファールになった。 その軌道を見た時,彼への期待度が単なる若さや話題性からくるものでないという確信が持てた。 あの日,目にした打球は本物だった。 オリックスの若き大砲・T-岡田のことである。 ファールになったとはいえ,'08年の沢村賞投手でもある岩隈に向かって あれほどの打球を返せたということは, 彼のレベルが開幕時点ですでに一軍レベルにあることを伝えていた。 時を経て,5月5日の対ソフトバンク戦。 3回裏,1,3塁で打席に立ったT-岡田はここでも驚愕の打球を見せる。 高橋秀聡のストレートを捉えると,打った瞬間にそれと分かるホームラン。 T-岡田は行方を目で追うことなく, ベンチを見やり「どうだ」といわんばかりのジェスチャーを見せた。 打球は開幕戦と同じ,5階席まで飛んでいた。 これがT-岡田のホームランなのだ。 高校時代は「浪速のゴジラ」だが,ドラ1入団後は……。 打率が.220~.230台でもスタメンに抜擢され, 彼が5番を打つ理由はその凄まじい打球にある。 「自然にバットが出ました。 打った瞬間に(ホームランって)分かったんでね」と笑顔を見せたT-岡田。 履正社高校時代は「浪速のゴジラ」として注目を浴びたが,まさに松井秀喜の打球である。 T-岡田が「ゴジラ」の愛称で呼ばれるようになったのは, 高校2年夏を前にある専門誌で紹介されてからだ。 直後の大阪府大会で5本塁打,さらに2試合をまたいでの5連続敬遠をくらい, その愛称はますます彼のものになった。 高校を通じて甲子園に出場することはなかったものの,通算55本塁打。 足を高くあげて,左右に本塁打をぶち込む岡田の打棒は 「浪速の四天王」(阪神・鶴直人,中日・平田良介,巨人・辻内崇伸)のひとりとしても, アマチュア野球界を騒がせた。 しかし,'05年の高校生ドラフト1位でオリックス入りしたT-岡田にとっては苦しい日々が続いた。 1年目こそ,一軍昇格を果たしたが,2,3年目は結果を残せずファーム暮らし。 ファームでも,これといった成績を上げられなかった。 当時を振り返り,T-岡田はこう話していた。 「2,3年目は苦しかったですね。 メンタル的には打てなくて落ち込むことが多かったですし, フォームに関しても,全然,定まらなかったですから」 藤井コーチの「4スタンス理論」で才能が一気に開花! 彼が変化を見せたのは3年目のシーズンを終えた秋, 入団初年度にもコーチとしてタッグを組んだ藤井康雄氏がコーチに復帰してからだ。 それまでスカウトや編成にいた藤井氏はバッティングフォームを研究するために 「4スタンス理論」を学び,チームとT-岡田に伝えたのだ。 今はスカウトへ再転身している藤井氏が昨年,こんなことを話していた。 「(4スタンス理論というのは)要するに体幹を意識するということなんだけど, 選手によって,それぞれ微妙に違うということになるんです。 (フォームを)止めて打つのが合う人もいれば,動きながら打つ方が合う選手もいる。 岡田の場合は,踵重心で,それも動きながら打つのが合っているんですよ。 コーチの考えに当てはめるのではなくて,そういう理論のもとやっていきましょうよ, っていう感じで取り組んでいて,岡田自身も自分で考えられるようになったんじゃないかな」 理論を習得した後,自らフォームを研究するようになった。 高校までのT-岡田はカチっと止まった状態で始動し,足を高くあげる一本足打法だった。 それに比べれば現在は大きく変化し,彼のフォームを見ていると, 高校時代とは別の方法で一定のリズムを保とうとしているのが分かる。 相手投手が軸足に体重を乗せた時に,一端,身体を投手側に預けている。 そして,それを軸足の方に引き,体重移動させている。 ただ,理論の習得は確かに彼を成長させたが, 藤井氏と取り組んでフォームについて自分自身で研究できるようになったことにこそ, 意味があったのではないかと思う。 高校時のフォームについてT-岡田に聞いたとき, 「あの時の打ち方だと(プロだと)クイックもありますし,一軍の球は打てない」と話していた。 今,藤井氏はチームを離れているが,彼のフォームはさらに成長の跡を見せている。 それは,彼自身がフォームについて自分で考えられるようになった証だろう。 「打った瞬間にホームランって分かるやつがいいですね」 5月9日現在のT-岡田は打率.233で8本塁打。 決して褒められた数字ではないが,開幕戦に見たあの大ファールと 5月5日のホームランをダブらせて考えると,どうしてもその先の成績を考えてしまう。 それに,“打球”だけでこれほどまでに ファンを魅了してしまう選手はそう多くいないのではないか,と。 5月5日はこどもの日。 多くの子供たちが彼の打球を見て, 度肝を抜かれただろうと考えると,それだけでワクワクした。 低迷するオリックスだが,T-岡田の空に突き抜けるような打球だけは,あいかわらず爽快である。 高校時代,彼から聞いた話を思い出した。 どんなホームランを打ちたいか,と聞いた時のこと。 「打った瞬間にホームランって分かるやつがいいですね。 どこまでいったんやろって,歩いて打球を眺めるみたいな。 そういうホームランを打ちたいです」 打席に立つだけで期待感を持たせてくれるスラッガーの誕生。 T-岡田の打球は,野球ファンをスタジアムへといざなう。
交流戦が大きな転機になるように!!
信じて応援するしかありません!!!
【写真は,悩んで悩んで鍛えて鍛えて大きくなって欲しいT】