☆9/3(土)日本ハム17回戦
引き締まった表情が一気に崩れた。 わずか1点のリードで迎えた9回2死一,三塁。 代打・二岡をこん身のスライダーで遊ゴロにしとめると, オリックス・寺原はホッとした表情で大きく息を吐き出した。 「ヤバかったです。最後は心臓が飛び出るかと思いました」 斎藤との投げ合いを制し,今季初の無四球完投勝利。 07年にマークした自己最多勝利数にあと1勝に迫る11勝目は, チームに6連勝をもたらす貴重な勝ち星となった。 初回に4安打で2点を失い,自身4試合連続の初回失点を喫した。 だが右腕はここから冷静に自らの投球を立て直した。 「テンポよく,自分のリズムを心がけて投げたら, フォームが安定してスライダーが低めに決まりだした」 2回からは抜群の安定感を取り戻し,得点圏に走者を置いたのは最終回だけ。 岡田監督も「最後まで1人で行け,言うとったからな」と絶大な信頼感を口にした。 個人的な思いも果たした。 斎藤とは8月20日の試合(札幌ドーム)で対戦。 寺原は7回途中2失点の力投を見せながら,5回無失点だった斎藤に4勝目を与えた。 「この前は負けているので,負けるわけにはいかないという気持ちはありました」 斎藤の自責点は0だったが,打線との共同作業で黒星を付けた。 球界の先輩としての意地を投球で示した。 3試合連続の1点差ゲームを制し,今季3度目の6連勝。 借金を2まで減らした。 岡田監督にとって,この日は1986年に他界した父・勇郎さん(享年55)の命日。 2年連続の勝利となった。 「1試合,1試合よ。9月に入ったらな。計算はしてないよ」。 星勘定する時期は終わった。 残り35試合先のゴールに向け,岡田オリックスが総力で戦う。
さて余裕の岡田監督は敵の佑ちゃんにまで言及
オリックスは8月20日の斎藤との初対戦(札幌ドーム)は5回無得点に抑えられたが, きっちりお返しをした。 前回対戦時は不振で2軍落ちしていたT―岡田は,3回に中越え同点二塁打して 「球が動くというイメージはあったが,聞いていたより嫌な感じはしなかった」 と余裕の表情で打席を振り返った。 岡田監督は早大の後輩でもある斎藤について 「走者が出てからボール球のフォークを振ってた。うまいこと投げとるよ」。 これでチームは6連勝で借金も2まで減らした。 「9月に入ったらもう一戦一戦。計算してないよ」と言いながらも,指揮官の頬は緩んだ。
よその選手誉めるんなら自前の選手も誉めてほしいもんです。
【写真は,いい顔をするようになったオリックスナイン。この笑顔が10月,11月と続くか?!】