ふたつの夢舞台
全パの李大浩(オリックス)がホームランダービーを制した。 1回戦は阿部に1本差の5本で決勝進出。 決勝では両リーグトップの24本塁打を放っているバレンティンを6―0で下した。 本拠地での優勝に「最高。初めてのオールスターで優勝できてうれしい」。 韓国では05年から7連続ファン投票で球宴に出場。 05年と08年にはMVPを獲得し, 09年には本塁打競争に優勝するなど夢舞台にめっぽう強い。 本塁打,打点でパ2冠の実力を見せたが,試合は3打数無安打だった。
本番は力が入りすぎて無安打でしたが
見せ場は十分でした。
見せ場は十分でした。
韓国代表として09年WBCに出場したオリックス・李大浩が, 日本プロ野球選手会の不参加表明に私見を述べた。 「日本が出ないと,大会のレベルや雰囲気が下がる。 オリンピックで野球もなくなった。 アメリカと日本の両国が出ることを(韓国の)国民も期待していると思う。 個人的には出てもらいたい」。 前回大会で韓国は日本と決勝を戦っただけに, 「(日本不参加のニュースは)韓国でもインターネットで流れて,知っていた」 と関心の高さをうかがわせた。
ん?という訳で
何があったかというと
何があったかというと
球宴第1戦開始前の昼過ぎ,全国に衝撃が走った。 日本プロ野球選手会は20日,大阪市内で臨時大会を開き, 来年3月に開催される第3回WBCに「出場しない」との決議をした。 新井貴浩選手会長(35)=阪神=は会見で苦渋の決断だったことを説明。 日本代表の大会3連覇を願うファンと関係者は多く, NPB側は選手会側との話し合いを続ける方針を示した。 終始険しい表情を浮かべ,新井会長が語り始めた。 「WBCに出場しないということが,正式に決定されましたので, みなさんにご報告したいと思います」。 ゆっくりと,しかし,はっきりとした口調で,選手会の決議について説明した。 これまで選手会は,MLBとMLB選手会がつくった大会運営会社・WBCIに対し, 日本企業が運営側に支払うスポンサー権と, グッズなどのライセンシング権を日本代表に帰属することを要求。 昨年7月22日の臨時大会でも,現状での不公平な条件の改善が見られなければ, 大会に出場しないことを表明していた。 同年8月にNPBと選手会側が,協調して主催者側に働き掛けていくことを確認。 当時のオーナー会議議長だった楽天・島田亨オーナーらが 複数回の交渉を行ったが,進展はなかった。 その経緯を踏まえ,新井会長は 「昨年の7月にも,このままでは出場することはできないと, WBCIに要望を伝えたが,あれから1年で主催者側から何の返答もなかった。 日本代表の権利であるにもかかわらず,それが戻ってこない。それに尽きる」と説明した。 会議中,選手からは出場を求める声も出たという。 それでも「そういう声もあったが,最終的には全会一致」とした。 さらに「ただ3月の大会だけのことを考えるのではなく, 5年後10年後,次の世代のことを考えた。 苦渋の決断をせざるを得なかった」と話した。 WBCは不出場を表明したが, 今年から常設となった日本代表「侍ジャパン」には全面協力していく方針。 そのため,11月に予定されているキューバ代表との親善試合については, 改めて参加する意向を示した。 加えて今後は「プロアマ問わず,侍ジャパンのユニホームを着て国際大会に出て行く。 また,新たな国際大会,そういう舞台をつくっていくことは考えている」と, WBCに代わる国際大会を求めていくことも明かした。 ファンの出場への期待は高い。 だが,新井会長は主催者側との再交渉は 「これから主催側のアプローチがあるとは考えられない」と強硬だ。 今後,NPBと選手会の間で話し合いは続けられるが,難航は必至。 新井会長は「日本のプロ野球にとって間違ってなかったと,そう信じている」と話すものの, 国際的な観点に立つと,プロ野球は大きな分岐点を迎えた。
【写真は,いいものゲットの李大浩。同じ夢舞台で日本との対決を待ってるはず。】