抱きしめた心の小宇宙

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未知との遭遇・・・
今季オリックスは遥かなる宇宙の彼方からの使者により大きく変身を遂げる

 キャンプ直前の電撃トレードでオリックスに移籍してきた糸井嘉男だが,キャンプインからわずか2週間でWBCのためにチームを離れることになった。それでも糸井の加入は,短い期間でもチームに大きな刺激と確かな予感を残していた。
「あの人はやっぱり凄いですよ」
 そう口を開いたのはT-岡田だ。「守備も走塁も……」と続けたが,3年前の本塁打王に強烈なインパクトを与えたのはやはりバッティング。なかでも飛距離だった。
「バッティング練習でも,とにかく飛ばしますし,打球の質もライナーで伸び続けていく。僕の場合はもっと放物線を描きながら伸びていくんですけど……。明らかに打球の質が違います。糸井さんの打球は本当にえげつない」
 昨年の糸井の本塁打は9本だが,WBC2次ラウンドのオランダ戦(3月10日)では特大の一発を東京ドームのライトスタンドに放り込んだように,飛ばす能力は日本代表でも一,二位を争うと言われている。今季40本塁打を目標に掲げるT-岡田にとっても,糸井の加入は相当刺激になっており,チラリと負けん気をのぞかせたひと言にも”糸井効果”が表れている。
 飛ばすだけではない。昨年,リーグトップの出塁率(.404)を誇り,盗塁も22個。森脇浩司監督はまだ打順について思案中だが,大島公一打撃コーチは,「打順は監督とヘッドコーチが決めることなんで……」と前置きした上で,こんな考えを口にした。
 「長打力もあるし,打率も期待できる。それだけでなく選球眼もいいし,足もある。1番から4番,どこにでもはまります。もし糸井を2番に置いて,坂口(智隆)と1,2番を組んだら,どんな攻めをするのか,それだけでもワクワクします。どの打順を任されても,状況によっていろんな役割を果たしてくれると思います。糸井が打線に加わることで前後の打者も生かされるし,厚みが出るのは間違いないですね」
 攻撃面はもちろんだが,チーム内からそれ以上に期待の声が上がっていたのが守備だ。佐竹学外野・守備走塁コーチは語る。
 「糸井の守備力でどれだけ勝敗が変わってくるか。広い札幌ドームでは三塁打二塁打にすることもありましたが,京セラドームでは糸井のスピードと肩で二塁打をシングルにする場面が増えると思います。それに一塁走者の三進や二塁走者の本塁突入を防ぐことも多くなるでしょうし,バッテリー,特にピッチャーにとっては心理的に大きくプラスに働きそうです」
 この話を聞きながら,以前,星野伸之投手コーチが語っていた言葉を思い出した。
 「ランナー二塁でライト前ならOK。点は入らないと思っていました。そう思いながら攻められるだけで,気分的には相当楽でした」
 これは星野コーチが現役時代,ライトを守っていたイチロー効果について語ったものだが,糸井が加わったことで今年のオリックス投手陣には同様の心理が期待できる。球場が広くなった現代の野球で,強力な外野陣を揃えることは覇権奪取の第一歩と言っても過言ではない。佐竹コーチはこんな可能性を口にした。
 「じつは,糸井と坂口の守備範囲にはまだ不満があるんです。その点,駿太はオリックス時代のイチローを思い出させる守備範囲と肩がある。もちろん,糸井と坂口の守備はもっと上がってくるだろうから,この3人が並べばとんでもなくすごい外野陣になる。坂口は肩の回復具合もありますし,駿太だってもっと成長しないとレギュラーは難しいかもしれない。だけど,この3人が並ぶ外野守備を単純に見てみたいです」
 阪急ブレーブスの黄金期には福本豊,ウィリアムス,蓑田浩二の3人がいて,1996年に日本一を達成した当時のオリックスにはイチロー田口壮本西厚博が並び,鉄壁の外野陣を形成した。もし,糸井,坂口,駿太の3人が並べば,それをもしのぐ史上最強の外野陣誕生の予感も漂う。
 昨年のオリックスは得点443に対し,失点は525。ともにリーグ最下位の数字だが,糸井が打線に加わることでどれだけ得点を増やし,糸井の守りによってどれだけの失点を防げるか。数字的な部分でも大いに期待できそうだ。
 そして最後に,WBCを戦ったからこその”糸井効果”を大島コーチは口にした。
 「当初,ウチのチームからWBCの日本代表に入る選手はいなかった。それがトレードによって,日本代表の選手が加わった。日本代表で経験したことを若い選手に伝えてほしい。それに日本ハムでは常に優勝を争うなど,勝利の味を知っている選手。シーズンが進むにつれて,力を発揮してくれると思います」
 トレードが発表された時には,「まさか」の声が聞こえたが,糸井の加入によってオリックスに昨年とは違う戦いをもたらしそうだ。

大引ショックはひとまず封印
そしてこの選手の存在を受け入れて前を向こう
だってすぐそこに新しいシーズンが待っているから

しかもこの選手はこんなにファンタジスタだし

○味覚も宇宙人 沖縄・宮古島のキャンプ宿舎の食事会場で鶏肉を食べながら「このアグー豚,うめーなぁ」

○住まいも宇宙人 新居をどこに構えるかを聞かれ,「(球場から遠い)姫路に住むわ。誰も住んでないでしょ。パイオニアになる」

○影響力も宇宙人 球団キャッチフレーズ「速α(スピード・アルファ)」にちなみ,糸井がチームにもたらす効果を聞かれ「早寝早起き」

○体調管理も宇宙人 WBC後にチームに復帰し,森脇監督から「時差ぼけは大丈夫か?」と聞かれ,「向こう(時間)が合わせるもので,自分が合わせるものではないです」

宇宙人語録・・・
まだまだ溜まっていきそうな予感


抱きしめた心の小宇宙
熱く燃やせ 軌跡を起こせ・・・

聖闘士星矢の歌詞のように今季は羽ばたいてほしいですね。




【写真は,まさかまさかのオリックス入りの糸井。糸数じゃなくてよかった(安堵)】