☆5/9(木)ソフトバンク8回戦
こんな泥臭い勝利が見たかった。
1点にかける執念
1点にかける執念
オリックスが夢のようなサヨナラ勝利だ。2-2と追いついた九回二死満塁。九回の守備から出場の山本が中前にサヨナラ打。「もう,ガッツポーズするのが遅れるくらい頭が真っ白になって…。最高ですね」。自身初のサヨナラ打で,もみくちゃにされた。 2009年,大経大から育成D3位で巨人に入団。11年に支配下契約も左膝を骨折して育成へ逆戻り。昨年再び支配下契約されたが1軍出場はなく,11月にトレードで東野とオリックスへ。直後の秋季キャンプ。11年に巨人2軍コーチだった森脇監督は「夢でお前がサヨナラを打つのを見た。イメージはできている」と耳打ち。夢が正夢になった。 ギリギリの勝負だった。直前に川端が頭部死球。この時点で野手を全て使い切っており,重症なら投手が代走に出るほかなかった。幸い軽症だったため,そのまま走者になった。延長戦突入を避けるためにも,九回で決めるしかなかった。 チームは約1カ月ぶりの連勝。「一気に乗っていきたいね。きっかけにしたい」と指揮官。依然として最下位だが,11日から5位日本ハムと直接対決。再浮上のチャンスだ。
山本ネタをもうひとつ
オリックスは1点を追う9回,押し出し四球で追いつき,最後は伏兵が今季初のサヨナラ勝ちを決めた。 途中出場の山本が2死満塁から中前打。「人生初のサヨナラヒットです。打った瞬間,頭が真っ白になった」。手荒い祝福にユニホームはびしょ濡れだ。昨年まで在籍した巨人では1軍出場なし。11年10月の左膝骨折もあって「育成選手契約→支配下選手登録」を2度経験し,昨年11月に東野とともにトレードで移籍してきた。巨人2軍コーチ時代に指導を受けた森脇監督から秋季練習の時に「夢の中で(山本が)サヨナラを打っているのを見ているんだ」と声をかけられた。それが半年後に現実となった。 山本 和作(やまもと・かずなお) 1986年(昭61)9月21日,兵庫県生まれの26歳。尼崎工から大経大に進み,08年育成ドラフト3位で巨人入団。11年5月に支配下選手登録。12年オフにオリックスにトレード移籍。1メートル82,82キロ。右投げ右打ち。
最後は山本でしたがそれまでの打者も投手も素晴らしく
川端(大勝した4月29日の日本ハム戦でも頭部死球) 結果的につなぐことができてよかった。これで2戦2勝です。 佐藤達(8回から2イニングを無失点でプロ初勝利) タナボタなので…。チームが勝ったことが何よりです。
海田もよかったし,3番のこの選手もよかったです。
オリックスのアーロム・バルディリス内野手(30)が先制打を放った。1回1死二塁のチャンスで,ソフトバンク帆足のスライダーをとらえて右前適時打だ。 「うまく逆方向へ打ち返すことができたね。初回に先制することが出来てよかったよ」と声をはずませた。 前日に連敗を6で止めたばかりのチームに,勢いをつける一打。試合も最後は土壇場のサヨナラ勝ちとあって大喜びの様子だった。
そんな好調の3割打者に代打を送った森脇監督は
オリックスの森脇監督が執念の采配を見せた。1-2の九回,先頭の平野恵が出塁すると,3番バルディリスに代え,代打三ツ俣を送った。 3割打者を退かせてでも,犠打で二塁に走者を送ることを選び「あれで負けていたら,なぜ代えたのかと言われていた」と振り返った。直接得点には結びつかなかったが,サヨナラ勝ちし「選手の粘りがすごかった」と胸をなで下ろした。
ここから始まる逆襲のとき
【写真は,これは夢じゃない渾身のガッツポーズの和作】